ブログ:フィレンツェで会いましょう。

ストロッツィ宮殿 色彩と光のキラメキ

Olafur Eliasson オラファー エリアソン                                デンマーク生まれの現代アーティスト

フィレンツェ・ストロッツィ宮殿にて、9月22日から2023年1月22日まで展示開催中。

パンフレットや広告に掲載されているこの色とりどりの幾何学形態に惹かれて早速行ってきました!

『Firefly double-polyhedron sphere experiment, 2020』= 蛍 二つの多面体による試み       と名付けられたこの作品。

内側の多面体がゆーっくり回り、光の具合が刻々と変わっていく様子がとても美しいです。

色のついたガラスフィルターは5色:緑・オレンジ・黄色・シアン・ピンク            内側からいくつもの小さなLED光源が照らしています。                     単一の色(光線)だけを反射し、それ以外の色(光線)は透過する特殊効果があるガラスです。

アーティストによる長年の研究の成果であるこの不思議な多面体、この不思議な表面の組み合わせこそが、なにか惹きつける魅力なんだと思います。数学的に明解に理解できるものならしてみたい・・ (文系女子)

三角形、ひし形、三角形を分割してできる3つの四角形、5角形、、、、、ときらびやかな色に分かれた形体を見出し・・・                                    ただただ眺めていても、色彩と光のキラメキから不思議な潤いを得られます。

この作品『蛍』が展示されている部屋は、宮殿の大窓から光が入ります。そこで、暗い夜ならどのように見えるのだろうかと好奇心を抱いて再度行ってみました。

窓の外の暗闇とのコントラストでよりはっきり見えて素敵です。宮殿の大窓のガラスに多面球体が映りこんでいる様子も綺麗です。

現代アートは????な、苦手なものが多かったのですが、今秋フィレンツェで開催されている近代・現代アートの展示はなじみやすく、好感を持てます。

展示の第一室は、『ストロッツィ宮殿の窓ガラス』の投影です。

大窓には鉛格子に古いガラスがはまっていて、普段から自然光が入ってきますが、作品として窓の外側に3つのライトを設置して、ガラスそのものの不均一な質感を映し出しています。

昔のガラスならではの素材感、縦すじが入っていたり 波打ってたりという、普段は見えていない質感をあえてライトで照らすことによって、目に見えるものにしています。

第2室も、大窓にブルーとオレンジの光をあてて投影しています。普段の何気ない空間に、光と色彩が加わるだけでこんなに幻想的な空間が演出されるという気づきが与えられます。

テーマは『Just before now, 2022』 ちょっと前は、ついさっきは、 というあいまいなようで無限に訪れる瞬間を指しているようでいいですね。

そして入口が黒いカーテンで仕切られた展示室には、『Beauty 1993』

展示室内に霧雨が降り、そこに虹のように揺らめく光。

ほどよいミストと、室内に雨・・というのが面白いのですが、見る人の立ち位置、動きによって虹の光の見え方が変わり、“一つの見えかた、同じ見え方が一切ない”“鑑賞者ひとりひとりが作品(=見え方)に関与する”

というのがアーティストこだわりのコンセプトだそうです。

若者たちが雨をくぐったり、浴びたりしていたのでわたしも通り抜けてみました。

自然の中で見・触れるような感覚をあえてアートとして再現する体感アート、なかなか面白いです。

イタリア・フィレンツェの歴史ある街並みや、ウフィツィ美術館などで圧巻のルネサンス芸術にのまれ、浸ったあと、現代に立ち戻る気分転換にもいいかもしれません。

現代アートでは私にとっては珍しく、何度か足を運んで、違った気づきを求めたり、納得したり、キラメキに酔ったりするのもいいなと思える展示でした。

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